@saretaibot

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幼馴染はスカウトというベタな方法だが、芸能界入りし、数ヶ月もしないうちに雑誌の表紙を飾り、テレビなどにも露出し、明るく愛嬌もあって好感度も高いらしい。 小さな頃からよく遊んでいたが、最近は分を弁え、日に日に連絡の頻度は減っていった。

いくら幼馴染とはいえ……気安く話しかけていい存在じゃなくなっちゃったな…… 自分がスキャンダルの種になるという思考自体が既におこがましい。だけど可能性は潰しておくべき、と考えながら応援したい気持ちと寂しい気持ちが混ざりあい、複雑な心境にしょぼくれていた。

考えるだけ無駄だと、スマホの画面を消し、テレビをつけると幼馴染がテレビに出ている。生放送か。 自分と話している時と違って、明らかに猫をかぶっている幼馴染にむず痒さを感じながら半笑いで見ていると、好きな男性について、という女性タレントに喋らせるには些か問題がありそうな質問が飛び出す

まあタレントとしてはどう躱すか、といった小手調べかと思っていると珍しく照れながら 「内緒です」だと。 スタジオからも共演者からもヒューヒューという声が上がり、対策済みだったか、と感服していると、 「好きな子がいるって言ってるようなものじゃ~ん」と返され、共感の拍手と笑い声に包まれる

魅力的な存在が多い世界だ。 ましてや今をときめく1人の美少女。 男たちが放っておくはずがないと考え、何故か憂鬱な気持ちになってテレビを消し、ベッドに寝転び、スマホを触りだしてからそのままどうやら眠ってしまった。 目が覚めるとスマホの通知が一通 『見た?』 幼馴染からだ

「何を?」 『テレビ!いまさっきまでやってたの!!』 「ちょっと見てたけどすぐ消して寝ちゃったみたいで今起きた」 『バカ!!』 「はあ?」 そのままメッセージが途切れる。 謎のメッセージに疑問を抱きつつそれから追加でなにか来るわけでもなかった。

翌日、幼馴染がいないことに慣れ始めた1人での登校中。 後ろから背中を小突かれ振り返ると、クラスメイトだった。 「見たか?昨日の幼馴染ちゃん!」 「……最近はしょっちゅう出てるだろ」 「え……?」 歩きながら驚けばいいのにわざわざ立ち止まって驚くクラスメイト

「あー……マジかぁ……えぇ……よりによって……」 ボソボソと小声で何かをつぶやくクラスメイト。 「なんだよ……」 気がつけば、周りにいる登校中の生徒がこちらを見てニヤニヤヒソヒソと話しながら距離をとって通り過ぎていく。 圧倒的疎外感。 まるで自分がおかしな存在であるかのように。

学校に着いてからも疎外感は変わらず、普段は鬱陶しいほど絡んでくるクラスメイトも大人しく、気がつけば昼休み。 珍しく放送のチャイムが鳴り響き、「〇〇くん、至急職員室にお越しください。」 自分だ。 こういった時には必ず呼び出しを食らったことをからかわれるはずだが、誰も何も言わない。

ますます、訳が分からない。 職員室に向かう個室に通され、スーツ姿の知らない男の人がいた。 君が〇〇くんだね と、名刺を渡してくる。 **プロダクション 社長 △△ △△ 幼馴染の芸能事務所だ。 こちらの表情で状況がわかっていないことを悟ったのか 君は昨日のテレビは見てないんだね?

これを見てほしい パサッと置かれたのが、雑誌だった。 あるページが開かれている。 【超人気高校生アイドル、生放送中に爆弾発言!!!】 「……これ、〇〇のことですよね?」 幼馴染の名前だ。 「何やらかしたんですか、あいつ」 ……本人から聞こうか

ガチャっと扉が開くと、 「や、やっほー……」 と手をヒラヒラと振りながら幼なじみが現れる 「なんでこんなとこに」 「やらかしちゃった~……あはは~……」 「生放送でなにやらかしたんだよ……てゆーか、やらかす要素なかっただろ?なにやらかしたんだよ」

「生放送中に~……告っちゃっ…………た……」 「……はぁ?なんで生放送中に……そんなの番組終わったあとにでも本人呼び出してすればよかっただろうが」 「番組終わっちゃったら伝わんないでしょ!!」 「伝わらないことはないだろーが!!一緒に出てんだから」 「出てないでしょ!!」 「はあ?」

君たちちょっと話が噛み合わないにも程があるから、もう話しちゃうよ 社長さんが、割り込んで言い合いを止めてくれた。 あのね、この子が告白した相手は生放送の出演者でもなんでもなく、君に、だ その瞬間、言葉の意味を理解しようと瞬きを10回はしただろうか

事の全容は、こうだ。 生放送中に好きな男性のタイプの話になったが、悪ノリで共演者がさらに突っ込んだら、全部喋っちゃったらしい。実名まで出して。しかも肝心な本人が見てない所で、だけど全国ネットで。 プロデューサーが慌てて飛んできて番組は終了。マスコミ各社に追いかけ回されて大変らしい

疎外感とクラスメイトの反応。 人の顔を見てヒソヒソ話される全ての合点がいった。 今をときめく美少女アイドルの好きな人が全国ネットで実名で晒され、しかも当の本人は全く見てないので知らないという何から何までトンデモ展開で理解が追いつかずそのまま脳が思考放棄して倒れてしまうバカラブコメ

【中の人】長くてすみません

【中の人】 蛇足ですが、生放送現場にいた人から聞いたお話です。 https://t.co/3OEybZ5ENY

幼馴染はスカウトというベタな方法だが、芸能界入りし、数ヶ月もしないうちに雑誌の表紙を飾り、テレビなどにも露出し、明るく愛嬌もあって好感度も高いらしい。 小さな頃からよく遊んでいたが、最近は分を弁え、日に日に連絡の頻度は減っていった。いくら幼馴染とはいえ……気安く話しかけていい存在じゃなくなっちゃったな…… 自分がスキャンダルの種になるという思考自体が既におこがましい。だけど可能性は潰しておくべき、と考えながら応援したい気持ちと寂しい気持ちが混ざりあい、複雑な心境にしょぼくれていた。考えるだけ無駄だと、スマホの画面を消し、テレビをつけると幼馴染がテレビに出ている。生放送か。 自分と話している時と違って、明らかに猫をかぶっている幼馴染にむず痒さを感じながら半笑いで見ていると、好きな男性について、という女性タレントに喋らせるには些か問題がありそうな質問が飛び出すまあタレントとしてはどう躱すか、といった小手調べかと思っていると珍しく照れながら 「内緒です」だと。 スタジオからも共演者からもヒューヒューという声が上がり、対策済みだったか、と感服していると、 「好きな子がいるって言ってるようなものじゃ~ん」と返され、共感の拍手と笑い声に包まれる魅力的な存在が多い世界だ。 ましてや今をときめく1人の美少女。 男たちが放っておくはずがないと考え、何故か憂鬱な気持ちになってテレビを消し、ベッドに寝転び、スマホを触りだしてからそのままどうやら眠ってしまった。 目が覚めるとスマホの通知が一通 『見た?』 幼馴染からだ「何を?」 『テレビ!いまさっきまでやってたの!!』 「ちょっと見てたけどすぐ消して寝ちゃったみたいで今起きた」 『バカ!!』 「はあ?」 そのままメッセージが途切れる。 謎のメッセージに疑問を抱きつつそれから追加でなにか来るわけでもなかった。翌日、幼馴染がいないことに慣れ始めた1人での登校中。 後ろから背中を小突かれ振り返ると、クラスメイトだった。 「見たか?昨日の幼馴染ちゃん!」 「……最近はしょっちゅう出てるだろ」 「え……?」 歩きながら驚けばいいのにわざわざ立ち止まって驚くクラスメイト「あー……マジかぁ……えぇ……よりによって……」 ボソボソと小声で何かをつぶやくクラスメイト。 「なんだよ……」 気がつけば、周りにいる登校中の生徒がこちらを見てニヤニヤヒソヒソと話しながら距離をとって通り過ぎていく。 圧倒的疎外感。 まるで自分がおかしな存在であるかのように。学校に着いてからも疎外感は変わらず、普段は鬱陶しいほど絡んでくるクラスメイトも大人しく、気がつけば昼休み。 珍しく放送のチャイムが鳴り響き、「〇〇くん、至急職員室にお越しください。」 自分だ。 こういった時には必ず呼び出しを食らったことをからかわれるはずだが、誰も何も言わない。ますます、訳が分からない。 職員室に向かう個室に通され、スーツ姿の知らない男の人がいた。 君が〇〇くんだね と、名刺を渡してくる。 **プロダクション 社長 △△ △△ 幼馴染の芸能事務所だ。 こちらの表情で状況がわかっていないことを悟ったのか 君は昨日のテレビは見てないんだね?これを見てほしい パサッと置かれたのが、雑誌だった。 あるページが開かれている。 【超人気高校生アイドル、生放送中に爆弾発言!!!】 「……これ、〇〇のことですよね?」 幼馴染の名前だ。 「何やらかしたんですか、あいつ」 ……本人から聞こうかガチャっと扉が開くと、 「や、やっほー……」 と手をヒラヒラと振りながら幼なじみが現れる 「なんでこんなとこに」 「やらかしちゃった~……あはは~……」 「生放送でなにやらかしたんだよ……てゆーか、やらかす要素なかっただろ?なにやらかしたんだよ」「生放送中に~……告っちゃっ…………た……」 「……はぁ?なんで生放送中に……そんなの番組終わったあとにでも本人呼び出してすればよかっただろうが」 「番組終わっちゃったら伝わんないでしょ!!」 「伝わらないことはないだろーが!!一緒に出てんだから」 「出てないでしょ!!」 「はあ?」君たちちょっと話が噛み合わないにも程があるから、もう話しちゃうよ 社長さんが、割り込んで言い合いを止めてくれた。 あのね、この子が告白した相手は生放送の出演者でもなんでもなく、君に、だ その瞬間、言葉の意味を理解しようと瞬きを10回はしただろうか事の全容は、こうだ。 生放送中に好きな男性のタイプの話になったが、悪ノリで共演者がさらに突っ込んだら、全部喋っちゃったらしい。実名まで出して。しかも肝心な本人が見てない所で、だけど全国ネットで。 プロデューサーが慌てて飛んできて番組は終了。マスコミ各社に追いかけ回されて大変らしい疎外感とクラスメイトの反応。 人の顔を見てヒソヒソ話される全ての合点がいった。 今をときめく美少女アイドルの好きな人が全国ネットで実名で晒され、しかも当の本人は全く見てないので知らないという何から何までトンデモ展開で理解が追いつかずそのまま脳が思考放棄して倒れてしまうバカラブコメ【中の人】長くてすみません【中の人】 蛇足ですが、生放送現場にいた人から聞いたお話です。 https://t.co/3OEybZ5ENY

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